<「かえして」って言ってごらん>
2006.12.21 竹村和佳奈


実は、この文章を読んで私は強くはだしんぼに惹かれ、体験を申し込んだのです。
2年前、娘のあーこが1歳3ヶ月の頃です。
それからずっと、これは私の一番のお気に入りで、何度も読み返してきました。

自分の気持ちを素直に相手に伝えられる子になれるように・・・と勝手に解釈してました。
ところが今回読み直してびっくり。
これは、コミュニケーションの話なんですよね。
森さんの解説も何度も読んだはずなのに、全く頭に入っていなかった。

なぜなのか。
私は、「被害者意識」を持って読んでいたからなのだと思います。
あーこはまだハイハイの小さな頃から、なぜかいつも「やられる側」でした。
同じくらいの子と遊んでいると、さっとおもちゃを取られる、髪の毛を引っ張られる。やり返すことはありませんでした。
そんなあーこを見て、私はやきもきしていたのです。
この子はずっとこのままやられているだけでいいのか。
なんだか損しているみたい。
また、自分自身もなかなか人に思ったことを言えないでいたので、あーこにはそうなって欲しくない、との思いがありました。

今回スタディでとりあげられたので、また読み返していたところへ、なっちゃんの仲間はずれの事件がありました。
あーこが言った「でもなっちゃん泣いてなかったよ」に衝撃を受けました。
その時に私の頭の中でがちっと何かがつながりました。
解説もすこーんと素直に私の頭の中に入ってきました。

「自分がやられたらどう?」「相手の気持ちを考えて」呪文のように繰り返してきた言葉。
私はいつも相手の子の意志を無視していました。
何が嫌で、どう思ったか、どうしたかったか、これを確認することなく、自分の常識に照らし合わせて今のは嫌だったんじゃないかな〜、と自分の感情だけで子供を叱っていました。
子供はこういうものだ、と下に見るいやらしい気持ちもありました。
だからあーこは、なっちゃんにも意志がある、ということが理解できなかったのだと思います。

あーこや主人とちゃんとコミュニケーションがとれているだろうか。
恐ろしいですが答えはノーです。いつも一方的。
それなのにあーこにはコミュニケーション能力を身に付けて欲しいわ、なんて思ってました。
今気付けて良かった。

まずはあーこ、主人、そしてはだしんぼの仲間。
きちんとコミュニケーションをとっていきたいです。

ページの先頭へページの先頭へ  目次に戻る目次に戻る