無発酵パン
2006.9.12 菅野幸子


子ども(赤ちゃんの頃も)は出来るだけ外で遊ばせたいと思っていました。
なので、なるべく真が寝ている間に家事を済ませ、起きている間は近くの公園に出かけて過ごしていました。
ハイハイ前〜歩くまでは練馬区が提供している乳幼児の遊び場(ぴよぴよ)に行って過ごすことが多かったです。
また、外で遊んで帰って来ると家でのちょっとした家事の合間でも、真がよく遊んでいたので毎日外に出かけるようにしていました。
とにかく外へ、と思っていたので、子どもと家でどう過ごすかなんてあまり考えていませんでしたし、どう過ごしていいのかもわかりませんでした。

真が1歳3ヶ月の頃にはだしんぼ(当時は、はだしんぼではありませんでしたが)に出会いました。
しばらくした頃、森さんから「このくらいの子には、無発酵パンがいいよ。粘土感覚で出来て、食べられるからね」と教えてもらいました。
「パンなんて大変そう、とても無理」と思いましたが、楢木依子さんに聞いてみると「本当にそれで出来るの?」と思う程簡単なものでした。楢木さんが、早速レシピを送ってくれました。

早速、家で真と作ってみました。
真は興味を示してやってきたのですが、私は大きさを揃えないと均等に焼き上がらないと思っていたので、「このくらいの大きさで、こう丸めて・・・」と手を出し、口を出してやっていました。少しすると、真は無発酵パンを作るのはやめて別の遊びを始めました。私も結局、その時一度作っただけでした。

その後・・・中村恵美子さんの家に行った時、おやつに無発酵パンを作ることになりました。
「無発酵パン作ろうか」と恵美子さんが言うと、子ども達(中村家の子ども達・楢木家の子ども達)も「やりたい!」と、無発酵パン作りが始まりました。
皆、本当に楽しそうに思い思いの形を作っていって・・・気づくと真もせっせと生地をいじっていました。私もとても楽しかった!
色々な形のパンが天板に並べられ見た目にも楽しく、焼き上がりが楽しみでした。
「これはもう焼けたかな?」「わたしのはもう焼けた?」「もうちょっと焼いた方がいいよ」などと言いながら、焼き上がったパンをオーブンから出していきました。
焼き上がるのを待つ間も楽しかったです。
「これは誰が作ったパンだ!」「これは何?」などと言いながら、焼きたてのパンをみんなでワイワイ言いながら食べたのが、また楽しかったです。

この時の気持ちはちょっと言葉では表せきれないのですが、
恵美子さんの家の暮らしに触れて一番感じたのは「なんて豊かなんだろう」ということでした。

その時の無発酵パン作りが楽しかったのがきっかけで、その後、家でもよく無発酵パン作りをするようになりました。真が2歳〜3歳の頃は本当によく作っていました。
夫も一緒に。それがまた、楽しくて。

無発酵パンは焼きたては美味しいのですが、時間がたつと堅くなってしまうこと、また、柔らかいものを食べ馴れている子どもはあまり手を出さないことがあるので、粉に混ぜる水分を人参をすり下ろしたものにしてみたり・・・レシピが単純なので、色々工夫できるところもまた楽しく。

振り返ると、無発酵パンが始まりで、家での暮らし方や楽しみがそれまでとは随分変わったな、と思います。


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